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小林麻美さんのミラノ通信 vol.12015.11.04

 

○ 今回から平成27年度 第9回女子美ミラノ賞を受賞された、小林麻美さんにミラノでの暮らしを
 ご紹介して
いただきます。どうぞお楽しみください。

 


 

2015年4月、女子美術大学で選抜された学生10名と一緒にマーラ・セルベット建築設計事務所でワークショップを行うところから、私のミラノでの研修が始まりました。

10日間に及ぶワークショップは短期間でありながら、期間中に行われたミラノサローネでさまざまなデザイン、インテリア、インスタレーションを見学し、たくさんの発見や感動を受けながら課題に取り組み、私にとっても刺激的な一歩を踏み出すことができました。


 

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Workshop Milano 2015
Migliore + Servetto Arghitects
ミリオーレ・セルベット事務所にて
女子美インターンシップ in ミラノ


 

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Studio Museum Achille Castiglioni
アキッレ・カスティリオーニ博物館
 

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nendo 
for Milan Design Week
ミラノ・サローネ
 

5月から始まったEXPO MILANO2015により世界中の人々がミラノに集まり、EXPO会場以外にもいろいろな場所でさまざまイベントがたくさん行われており、街は朝から晩まで賑やかです。

 

そのうちの一つである会場でジャパンフェスティバルが行われ、私はご縁があって、このフェスティバルのロゴデザインやWEBページを作成しました。期間中もスタッフとして浴衣やはっぴを着て、名前や好きな言葉を聞き日本語にして、習字を書いたり、日本酒(現地ではSAKE)の試飲のお手伝いをしていました。このイベントを通して、ミラノを拠点に活躍されている日本人の方々と知り合うことができ、その後、街にあるギャラリーで、作品を展示されている際は見に行ったり、オープニングパーティなどで交流も深めたりしています。

先日はDUOMOを背景に500人による野外ゴスペルコンサートがあり、ものすごい迫力のある歌声が夜遅くまで響き渡りました。

事務所があるナヴィリオ地区は運河を挟んで、たくさんのバールが立ち並びんでいたり、エキスポのために新しく改装されたきれいな歩道には小さなイベントブースやショップ、バールなど子供から大人まで、人気スポットのひとつとして親しまれています。月末にはアンティーク市が行われており、掘り出し物をめがけてみなさんやってきます。


 

004EXPO

Albero della Vita
EXPO MILANO 2015
生命の木
ミラノエキスポ2015

 

 

 

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Vaiwai Japan Festival
ジャパンフェスティバル
 


 

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Galleria Antonio Battaglia
Tetsuro Shimizu 
清水哲郎さん(ブレラ大学の先生)の展覧会
 

 

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L’Italian Gospel Choir 
in Piazza del Duomo
500人によるゴスペルコンサート
ドゥオモ広場にて
 

 

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Naviglio Grande
事務所の近くのナヴィリオ・グランデ
 

 

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Milan Navigli Antiques Market 
Naviglio Grande
ナヴィリオ沿いのアンティーク市場
 

 

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Pranzo  /Zona Brera
ブレラ地区でのランチ
ミラノ風カツレツ(コトレッタ)、リゾット、パスタ、生ハムなど
 


 

ミラノは住んでみてわかった深い魅力に溢れていて、観光名所やイベントだけでなく、イタリアらしい生活スタイルにも魅了されています。

そして、イタリアには魅力的な小さな街がたくさんあり、中には世界遺産にも登録されていて、ミラノからも気軽に行けるところがあります。

ロミオとジュリエットの舞台となった「ヴェローナ」や、リゾート地である「コモ湖」、崖の上に教会がある「ポルトベネーレ」、そこから船に乗って、海岸沿いの傾斜にかわいい色合いの家屋が立ち並ぶ「チンクエテッレ」。

ピエモンテのワインで有名な「アルバ」という街は秋になるとトリュフ祭りが行われ、会場では白トリュフの塊を自分で選んで買って、パスタや目玉焼きに各自削ってふりかけて食べます。他にも、ワインや、ポルチーニ、チーズやパスタなどおいしいものもたくさんありました。


 

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Verona
ヴェローナ
ロミオとジュリエットの舞台となった町
2000年 ユネスコ世界遺産登録「ヴェローナ市街」
 

 

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Lago di Como
コモ湖
 

 

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Portovénere in ligure
リグーリア州のポルトヴェーネレ
1997年 ユネスコ世界遺産登録
「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」
 

 

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Cinque Terre
チンクエテッレ
1997年 ユネスコ世界遺産登録
「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」
 

 

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チンクエテッレのマナローナという街で
リグーリア州名産のランチ

 

 

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Fiera Internazionale del Tartufo Bianco d'Alba
アルバのトリュフ祭り
2014年 ユネスコ世界遺産登録地域
「ピエモンテのブドウ園景観」
 

何度か長期休暇を利用して、シチリア、ローマ、ベネチア、フィレンツェ、サレルノ、アマルフィ、カプリ島、マテーラ、アルベロベッロなどに行って来ました。

中でも印象的だったのは、イタリア南部、プーリア州にある「マテーラ」の洞窟住居で、とても歴史があり、廃墟のような家の集合体と、入り組んでいる階段で構成された街は独特な雰囲気を作り出しています。

洞窟住居を改装したホテルに行くまで3時間迷子になり、到着した頃には夜中の12時をまわりましたが、ライトアップされたマテーラの街は本当に感動的でした。

また、マテーラからバーリを挟んで「アルベロベッロ」という街はトゥルッリという三角の石の屋根と白い壁でできた小さな家の形式が立ち並び、かわいらしい形状の集合体でできた街で、同じプーリア州でも全く違った表情の街がありました。

ご飯もその土地ならではのもので美味しく、特にこの街ではブラータというチーズが最高においしかったです。

 

 

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Sassi di Matera
マテーラの洞窟住居
1993年 ユネスコの世界文化遺産に指定
 

 

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Alberobello
アルベロベッロ
1996年 ユネスコ世界遺産登録
「アルベロベッロのトゥルッリ」

 

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Siracusa in Sicilia
シチリア・シラクーサの海
2005年 ユネスコ世界遺産登録
「シラクサとパンターリカの岩壁墓地遺跡」

 

 

イタリアでの環境、空間、自然、暮らし、文化、食、ファッション、人、全てが私にとって新鮮で魅力的であり、まだまだ深く知り得たいと思いました。これからも事務所での研修と共に、できる限り「旅」を続け、この経験、体感を軸に空間設計に役立てるようにしていけたらと思います。

冬並みに寒い10月のミラノより、小林麻美でした。

 

 

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Migliore + Servetto Architetti Associati
ミリオーレ・セルベット建築事務所にて
イコ先生、マーラ先生、スタッフのみんな
 

 

 

 

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小林麻美

1982年生まれ
女子美術大学付属中学校・高等学校・大学を卒業し、建築設計事務所に入所。
その後、さまざまな建築設計事務所でインターンを経験し、2009年より6年間
女子美術大学デザイン・工芸学科環境デザイン専攻の助手をつとめる。
現在ミラノ賞を受賞し、2015年4月よりイタリア・ミラノに滞在。
Migliore+Servetto Architectsに所属。

 

 

 

 

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