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up date 2007.06.27
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【ロンドン通信 第15号】


今年度担当の伊藤愛(いとうちか)さんから第1通目の便りが届きました。
ロンドンに留学中の伊藤さんは日本では仕事をしていた経験のある学生、mature studentです。


いとうちかのロンドン通信vol.1

Royal Academy of Arts
Royal Academy of Artsの外観
ここのDegree Showに行ってきました。
ここは3年制の大学院です。
天井の高さ
天井の高さが展示の魅力。
作業スペース
特別に奥の作業スペース まで見せてもらいました。これは1年生に与えられたスペース。3年生はこの3倍くらい。
キャンパス
遅くまで混み合うキャンパス。
鑑賞後はビールを片手に雑談。
fish&chips ロンドン名物fish&chipsとわたし。
Central St. Martin Summer courseの教室にて

皆様、初めまして。今年度ロンドン通信を担当することになりました、伊藤愛(いとうちか)です。どうぞ宜しくお願い致します。
まずは自己紹介から。1999年に女子美術短期大学服飾デザイン科を卒業。翌年、同専攻科を卒業致しました。その後アパレルメーカーでアシスタントデザイナーとして勤務。2年後、語学留学のため渡英。2003年より女子美術大学ファッション造形学科専任助手を4年間勤め、任期を終えました。今年の6月より再びロンドンに戻り、LONDON COLLEGE OF FASHION(LCF)のBA FASHION DESIGN AND TECHNOLOGY WOMANSWEARにて留学致します。

私にとって今回の留学は2度目です。前回は語学学校に1年という短期間でしたが、女子美の助手のお仕事をいただき帰国してからも、やはりデザインでの留学の夢がおさまることはなく、現実にするのだという気持ちで、準備してきました。休みのできる度に、超短期で語学学校に留学をしたり、サマースクールで大学の雰囲気を下調べしに海外に飛んだりしていました。今、思えば英語や留学に関することを調べるのが私の趣味のようなものです。

さて、ロンドンについて2週間が経とうとしています。こちらではフラットシェア(1つの家で個室を持ち、キッチン・バスを共同で使用)する人がほとんどです。イギリスの好景気が影響して、ますます」(ポンド)は強くなり、ロンドンの土地値は上がる一方です。私が最初に留学した2002年は1」=190円だったのに対し、現在は約240円です。そして、EU圏以外の留学生には大変つらいことに、学費もInternational student feeとしておよそ3倍の金額を納めなくてはなりません。留学にお金の問題はついてまわるようです。
すでにこちらで生活したことがあるので、フラット探しも順調に進み、1週間前から現在のフラットで生活しています。私のフラットメイト3人は面白いことに皆、アーティストです。1人はギャラリーと契約して絵を描いていらっしゃる方、あとの2人はFINE ARTを勉強しているMA生です。移って間もないですが、みんな良くしてくれて、アートの話題に事欠きません。彼女達の学校を案内してくれたり、一緒に個展のオープニングに出掛けたり。

ここロンドンで感じるのは、「アート」特にFINE ARTを勉強している人、仕事にしているひとに囲まれていると、わたしの勉強してきた「デザイン」との棲み分けがはっきり討論されるということです。「Commercial Art」か「Public Art」か。どちらの道に進むのか、ということではなく、作品ひとつひとつのコンセプトがどちらにあるのか。その作品の領域をはっきりさせなければ受け入れられないということです。お金にならなくても「Public Art」でやっていきたい。という学生がたくさんいて、でも食べて行かなくてはならないからどうするか。こちらの大学では学生のころから自分の作品でどう食べて行けるかを真剣に考えさせられるのだそうです。わたしの分野はファッションデザインなので、商業的作品を勉強することが根底に流れていますが、衣服とアートを絡めた作品も大変魅力的です。そして数年前から、ファッションデザインという学術でこの領域が注目されています。ですから、これから3年間というBAの授業の中で、私自身どのような方向になっていくのかとても楽しみです。
http://www.fashion.arts.ac.uk/index.htm

こちらの学生のモティベーションを上げる仕組みがもう一つ。Degree Show(卒制展)に行ってきましたが、ここでは、各学生のキャプション(名前と作品名)の横にところどころ赤いシールが貼られていました。何だかお分かりですか?
そう、作品が買い取られたことを示すマークなのです。もちろん、会場に見に来た人が誰でも交渉して買うことができるのです。卒業作品を売ってしまうなんて心寂しい感じもしますが、さすが、アートが市民レベルのお国柄。これから有名のなるかもしれないアーティストの卵として、期待値を込めて購入していくのです。学生側もプライスリストを用意するのですから、作品にも気合いが入るのでしょう。そしてこれがアーティストとして食べていくことの初めてのきっかけになるかもしれないのです。
http://www.royalacademy.org.uk/exhibitions/raschoolsshow2007/

今週末はユーロスター(国際列車)にのって、ベルギー・アントワープに行ってきます。ファッションの大学として有名な「アントワープ王立アカデミー」のDegree Showを観にいくためです。現在、女子美の卒業生も在籍しています。
このアカデミーは先ほど述べたまさに「ファッションアート」を定義づけしようと試みる学校のひとつです。こちらの取材も兼ねて行ってまいりますので、また、ご報告できればと思います。それでは、つたないレポートではありますが、今後ともよろしくお願い致します。

 
 
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