今年の夏のNYは40度を超える日もあり、記録を更新するのではないかとテレビでも騒がれていました。そんな暑い日々でも人々は美術館に足を運んでいるのですね。観光客も増える時期という事もあり各美術館はにぎわっています。というのも、今年はいつになく夏場でも力の入った展覧会が開かれているからです。その一部をご紹介します。
MOMAの目玉はDADA展。
ワシントンのナショナルギャラリーからの巡回展ですが、アメリカ国内では初めて大規模にダダをまとめて紹介した展覧会です。20世紀にヨーロッパを中心に世界に繁栄したダダの主要な作品が会しています。各国別のムーブメントを展示しているので、ダダがどのように広がって、各国、各人によって展開していったのか。それぞれの個性が見えてきて、私には少し分かりにくかったダダをよりよく解釈出来る展覧会でした。9月11日まで。
http://www.moma.org/exhibitions/2006/Dada.html
MOMAで私が見たかったのがDugras Gordon ダグラス・ゴードンの"Timeline"展。
ヒッチコックの「サイコ」を24時間にのばした"24 Hours Psycho”などで知られるようになったアーティストで、母国スコットランドにムーブメントを起こしたともいえる人物です。私がNYに来た頃にガゴーシアンギャラリーで観た"Play
Dead; Real TIme”がとても印象に残っています。この作品は不規則に並んだ巨大なスクリーンの表裏に、象がゆっくりと歩き、倒れ(死んだふり)ていく様子が映し出され、床に近い目線で撮影されたその映像を見ながら自分もそのスクリーンの間を歩いていると、とても奇妙な感覚に襲われるのです。この作品も含まれた展覧会は9月4日まで。
http://www.moma.org/exhibitions/2006/Douglas_Gordon/index.html
メトロポリタン美術館では日本のメディアでも取り上げられていた"AngloMania”展が5月からの長期展示中です。これはバーバリーが中心となってイギリス発祥のファッションの今/昔を取り上げており、マックイーンやヴィヴィアン・ウエストウッドなどのクチュールドレスが美術館の宮廷風の空間に古いドレスと並んでいます。時代が錯綜する非日常的な空間は9月4日まで。
http://www.metmuseum.org/special/se_event.asp?OccurrenceId={8CBD9694-C547-4DB3-A0AE-1CA0F88BED16}&HomePageLink=special_c1b
メトロポリタン美術館の屋上には蔡國強の"Transparent
Monument”が設置されています。日本でも有名な作家ですが、NYのど真ん中のユニオンスクエアで爆竹パフォーマンスを行ったり、来秋にはホイットニー美術館でのグループ展の参加など、活動が活発な昨今です。電気に繋がれたワニや、ガラスにぶつかって死んだカラスなど内容は痛々しいものですが、屋根から見えるNYの摩天楼と夏の熱気と不思議と合って、確かなエネルギーを空に放出しています。10月29日まで。
http://www.metmuseum.org/special/se_event.asp?OccurrenceId={35B54034-D40F-4FD8-86EA-0B1A0A9D0F81}&HomePageLink=special_c3b
2003年に開館してまだ間もないNeue Galerieはドイツとオーストリアの美術を集めた美術館です。現在この美術館でクリムトの展覧会が行われています。
そう広くない部屋に6点のクリムト作品。中でも飛び抜けて美しい輝きを放つのが「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像1」。第二次世界大戦中にナチスに没収されたブロッホバウアー家の女性が所有権をめぐる裁判に勝利の末、売却、6月に化粧品会社エスティローダーのロナルド・S・ローダー氏によって購入された作品です。その額1億3500万ドル、155億円。史上最高額の作品です。この金額には驚いてしまいますが、作品を前にすると、その宝石のような美しさに納得してしまいました。一見の価値はあります。9月18日まで。
http://www.neuegalerie.org/neuemain.html
まだまだ沢山の展覧会が行われている夏のNY。熱射病に気をつけながらあちこち観て回って楽しみたいですね。
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