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寒中時のさびしい風景の中に咲く紅梅は美しい。
「寒中紅梅」 1995年 紙本着色 2曲半双屏風
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「春輝」
2002年 紙本着色 6曲半双屏風
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昭和60年から現在まで、郷倉さんにとって「梅花」は特別な花であり続けています。
ご自宅の庭にあった腐って枯れかかった梅の古木を手入れしたところ、見事に蘇り、若枝が出、花が咲いたのを見た時、生命の尊さ、力強さに感動されました。その頃より梅を主題に描き続け、連作しながら気付いたことは「自然を良く見、写生をよくしなさい」と安田先生に言われた言葉の重さでした。
日本各地の梅を取材して歩き、梅花と同時に日本古来の建物や町並み、山野などの風景の美しさにも惹かれました。松島瑞厳寺、埼玉県吉野梅郷、飛鳥などを何度か訪れて、風景画にも挑戦しています。長い間、花鳥を描かれてきた郷倉さんですが、梅花の背景には日本家屋や山野なども多く描かれるようになり、写生を元にしたその画風はさらに風格と穏やかさを増した、独自の世界を感じさせます。
2003年春、文化功労者として顕彰され、父の郷里である小杉町の名誉町民になったことを記念した展覧会で、郷倉さんは梅花を描くことについて次のように挨拶をされています。
「梅を描き始めて18年になります。
寒中に身を細らせてまで咲く梅花は清楚でとても美しいと思います。四季折々の梅樹と過ごした日々の繰り返しは生命の尊さや生きる力強さをおしえてくれます。
刻々変化しながらも根本は変わらない自然、その大切さを噛みしめながら作家として精進できればと考えています。」
小倉遊亀先生が「一つのものに興味を持つと、絵って色々と発見があるのね。同じテーマでかまわないから材料や条件を変えながら取組んでごらんなさい。もっといろいろな発見があるでしょう。」とおっしゃられたそうです。郷倉さんは、今までの画業を振り返って、「一つのことを続けてきた喜びがある。」と言われました。 |