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up date 2005.07.12

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展覧会リビュー「美の仕事PART2 絵本の世界―すべての人に贈る―」展

美の仕事PART2
展示風景
2005年5月23日(月)
      〜6月4日(土)
女子美術大学 杉並キャンパス
ガレリアニケ
主催:女子美術大学同窓会

「美の仕事PART2 絵本の世界―すべての人に贈る―」では、多くの同窓生が制作に携わっている絵本の世界にスポットがあてました。
ストレス過多の現代人に変わらない安定感を与えてくれる絵本には、幅広い多くの世界がありました。今回の展示はその幅の広さと共に、世代を超えて心に語りかける絵本の可能性を再認識できるものでした。

今回の展覧会は、いろいろな角度から絵本の仕事で活躍する6名の同窓生、その仕事ぶりと作品、原画、プロフィール、後輩へのメッセージ等が紹介されました。本来の絵本から形式が離れているものもありましたが、創り出された世界は絵本と同じメッセージをもち、新しい絵本の世界への可能性を感じさせました。展示された原画は絵本とはまた違う美しさを見せ、絵本の視覚的な魅力を示していました。
未来を担う子ども達に託すものを制作している同窓生のメッセージからは、それぞれの視点と個性をしっかり見据えながら、自由にイメージを繰り広げているピュアな姿勢が受け取れました。
他に77名の同窓生が制作した絵本200冊も所狭しと展示され、中には懐かしい紙芝居もあって奥の深い展示内容となりました。

会場には連日小さな鑑賞者も多く訪れ、展示本がどれも手にとって見られた事もあって、絵本を楽しむ無邪気な声が響いていました。
会期中、イベントとして絵本の読み聞かせも会場で行い、好評を博しました。

また、この社会的なメッセージに共感していただいた多くの新聞や雑誌にも紹介されて、2150名の入場者の方々にご鑑賞いただきました。



同窓生の絵本約200册 展示風景
同窓生の絵本約200册 展示風景
同窓生の絵本・永野さん・野田さん展示風景
同窓生の絵本・永野さん・野田さん展示風景
安藤さん・なかやさん・松岡さん展示風景
安藤さん・なかやさん・松岡さん展示風景
安藤さん展示
安藤さん展示
小澤さん展示
小澤さん展示
なかやさん展示
なかやさん展示
なかやさん「そらまめくんのベッド」原画
なかやさん「そらまめくんのベッド」原画
長野さん展示
長野さん展示
長野さん「夏至祭」
長野さん「夏至祭」
野田さん展示
野田さん展示
松岡さん展示
松岡さん展示
イベントイベント
子供達への卒業生による絵本読み聞かせ

■出品者 6名のクリエイター
■絵本作家をめざす人へのメッセージ
■出品者 同窓生77名
■協力・主催ほか 
■展覧会案内(同窓会主催の展覧会・案内ページもあわせてご覧下さい>>>)


■出品者 6名のクリエイター

●安藤 由紀  <メッセージ>
 絵本作家、挿絵画家
 1973年 短期大学造形科絵画教室在学

●小澤 摩純  
<メッセージ>
 1985年 絵画科洋画専攻(版画)卒業
 版画家、挿絵作家

●なかや みわ  
<メッセージ>
 絵本作家
 1992年 短期大学造形科グラフィックデザイン教室卒業

●長野 まゆみ  
<メッセージ>
 1982年 産業デザイン科デザイン専攻卒業
 作家

●野田 凪  
<メッセージ>
 アートディレクター/映像ディレクター
 1996年 デザイン科造形計画卒業

●松岡 希代子(板橋区立美術館学芸員)  
<メッセージ>
 板橋区立美術館学芸員
 1984年 芸術学科造形学卒業
 1986年 千葉大学大学院教育学研究科修了


■絵本作家をめざす人へのメッセージ

安藤 由紀   ●小澤 摩純  ●なかや みわ
長野 まゆみ  ●野田 凪   ●松岡 希代子

●安藤 由紀
 <絵本作家をめざす人へ>
 私は家族機能不全の家庭に育ちました。社会の中では、時にはマイナス評価となり、生きてゆくのに苦しい時期を過ごしましたが、ふり返ればそれでも生き続けて来たこと・・・・その1点に尽きます。「絵本を描きたい」と思えば、決してあきらめないこと。自分の思いはワガママではなく、正直な欲求だと信じることです。
 自分の心の中に永遠に住みつづけている“小さな女の子”の存在が、絵を描く力となって支え続けてくれます。
 時に心理療法を受け、他者と向き合うことや幼い人々に向き合う仕事を選んだことも力を与えてくれました。あなたの成すべきことを信じ、行動に結びつけて下さい。

●小澤摩純
 <絵本作家をめざす人へ>
 絵本というジャンルは絵ばかりではなく、文章も含めてとてもおもしろい表現世界の一つだと思います。自分自身の表現したいことを、いかに言葉にし、それを絵画にするか、それは結構簡単なようで、難しい作業です。最初はなかなかイメージ通りのものが出来上がらないこともあるでしょう。その過程で、私は、自分自身の感性を磨くという事が、とても大事な事に思えました。自分が生まれて来てから記憶の底に構築された、様々な思い出、感動したこと、かなしかったこと、びっくりしたこと、好きな事、嫌いな事、すべてを、自分自身というフィルターを通して、心と頭で編集し、そこに、表現という変換プログラムを通して形にすることに気がつくまで随分時間がかかったような気がします。
 絵本は人々の心にうったえるすばらしいメディアの一つです。小さい人達にも、大人になった人達にも、絵をとおして何かを伝える事が出来れば、それは絵描きとして絵描き冥利につく幸せです。
 ピアニストがピアノが弾けない人たちに演奏会で至福の時間を与えてくれるように、絵をまなぶ私たちは、絵本にも同じような効果があることを、信じる事が大事だと、思います。

●なかや みわ 
<絵本作家をめざす人へ>
以前、女子美の在校生の方から「絵本作家になりたいのですが、どうしたらよいですか?」と相談されたことがありました。
彼女は数ヵ月後に卒業を控えた生徒だったのですが、卒業後は絵本の創作活動を始めていきたいと私に話してくれました。
それを聞いて私はまず、彼女に就職することをすすめました。
一見、作家活動からは遠回りになってしまうような気がしますが、けしてそんなことはありません。ばくぜんと作家活動をするより着実に近道だと思います。それは自分の経験からもいえます。
私は、卒業後は(株)サンリオ商品企画制作課のデザイナーを勤めてきました。会社の中で学ぶ事は非常に多く、社内に在籍しなければ経験できないような大きな仕事をたくさんやらせていただきました。もちろんいろいろな失敗をしながら自分の感覚や技術をみがけたと思っています。もちろん社会人としての常識や対応も学ぶ事ができました。絵本はたくさんの人々の手により作られ、売られてゆくので、こういった事もとても大切です。社会に出て学んだ事は、その後の作家活動に大変役に立っています。まず社会に出てきちんと仕事をして、それでもなおかつ絵本がかきたいと思ったら、その時はじめて作家業をめざすといいと思います。ただし経済的な事は自分でアルバイトなどしてなんとかするのが前提です。自分に甘えがあると本気になって創作なんかできないと思うからです。地味にコツコツとつみあげている人、孤独にたえられる人であれば、いつか道は開けると思います。

●長野まゆみ 
<作家をめざす人へ>
 どの分野でも目指すものにたどりつく道筋はひとつでなく、100人いれば100通りの道があります。既製のものにはない新しい何かであろうとするなら、なおさら自分だけの道筋が必要です。
 そのためには、現在すでにあるものをよく知ることと、自分の作りだすものがどこにもない新しいものだという強い意志を持って続けることです。
 私は公募に応じて出版社に原稿を送りました。当時は作家になるのに年齢は関係ないと考えていましたが、なりふりかまわず没頭するにはあるていどの若さが要ります。それが、現在の結論です。年齢とともに自分のことだけにかまけていられない状況が生じますので、若いうちに耐力をそなえておかなければなりません。
 文学賞に関していえば、はじめての応募で得る人がほとんどです。というのも、そこでは新しいものの兆しが求められているからです。何度も挑んで成果が得られない場合は、アプローチのしかたを変えてみることをおすすめします。
 誰に何を云われようと続けるだけの頑固さがあれば、いずれ結果はついてくるものです。

●野田 凪 
<映像作家をめざす人へ>
中学・高校も女子美の付属に通いましたが、自分たちで縫った衣装を着たりして、とにかく女子美祭や体育祭が面白くて。女子だけなので、自立しようという雰囲気があって、それは将来役に立つはず。学校は、自分を見つけるための場所で、就職するためのステップではないと思います。だから、自分の好きなことを見つけてそれを伸ばすようにしてほしいですね。女子美は、そういう点でとても自由で恵まれた環境だと思います。
女子美の頃は、彫塑の時間がすごく好きだったので、またやってみたいですね。肉体を使って何かをやることに憧れます。それから、シャンデリアにも興味があって面白いデザインを考案中です。今年、現代アートの展覧会などで発表したい。アートワークでも仕事でも、見た人がハッピーになれるようなものを生み出していきたいですね。そして、自分自身も満足感が得られればうれしいですが、それはなかなか難しいかもしれませんね。完成した瞬間は、やったと思うのですが、ほんの数秒間のこと。でも、満足していないからこそ、ずっと創り続けていくんでしょうね。
「What's Joshibi vol.6」より

●松岡希代子 
<絵本作家をめざす人へ>
絵本のむこうには、「読者」がいるはず。
ひとりよがりにならないで、人とのコミュニケーションを大切にして制作してください。


■出品者 同窓生77名
秋山 とも子、秋吉 由紀子、新井 苑子、いしい やすよ、いしかわ のぶこ、石村紗貴子、石川 和子、いちかわ なつこ、伊藤 彩、イルカ、上村 千栄、榎本 恵美、岡田 節子、小山内 啓子、おのでら えいこ、片岡 球子、加藤 美紀、鎌田 千賀子、川上 越子、川上 尚子、川端 明子、河本 祥子、川村 みづえ、岸本 真弓、木戸 寛子、工藤 ノリコ、くりた さおり、くん くみこ、斎藤 彩、斎藤 佐知、さいとう りな、柴崎 るり子、下島 みちこ、じゅうり かおり、菅谷 暁美、鈴木 びんこ、鈴木 幸枝、高倉 勝子、高木 リツ子、高田 美苗、たかはさち、武市 加代、田中 佑子、東郷 聖美、中村 有希、ながい ももこ、永田 治子、なかの よしこ、南明 身佳、丹羽 和子、根本 周子、橋本 裕子、花牟禮 亜聖、浜崎 公美、ひだ きょうこ、ひろい のりこ、冬野 いちこ、べつやくれい、堀 文子、堀江 祐理子、ましま せつこ、丸木 俊、水野 恵理、三井 小夜子、宮川 ゆう子、みやした はんな、村井 香葉、目黒 直子、森川 百合香、安 和子、柳原 雅子、山田 愛子、ユアサ ケイコ、横松 桃子、吉村 明子、米澤 よう子、渡辺 享子



■主催  女子美術大学同窓会
■共催  女子美術大学            
     女子美術大学付属高等学校・中学校  
■後援  杉並区
■協力  板橋区立美術館、岩崎書店、河出書房新社、福音館、
    ポプラ社、理論社

 
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