up date 2003.09.09
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幅広い分野で活躍する女子美同窓生、今輝いている女子美魂のヴィーナスたちを紹介します。
女子美同窓会100周年ではじまったワークショップのフリーグループが今、子どもたちを取り巻く環境改善に大きな可能性を切り開いています。
ワークショップ フリーグループ 施設へ行こう
実行メンバー
澤岡泰子(S37デザイン卒)
宗岡さと子(H6絵画専攻卒)
箕輪妙子(S46洋画卒)
彦坂章子(S37年洋画卒業)
他賛助メンバー 15名
井崎聖子(H1洋画卒)
斉藤正江(H8洋画卒)
坂口奈津子(H4洋画卒)
同窓生以外のメンバー 3名
佐藤千恵子(S53洋画卒)
保科晶子(H6研究科陶造形修了)
白木ゆり(H1洋画卒)
女子美術大学100周年を記念した同窓会行事のワークショップは
「母なる大地」
のテーマのもと、全国94ヶ所と韓国で繰り広げられました。そのとき、継続していた同窓会主催事業
「病院に絵いっぱい運動」
に感銘を受けた卒業生を中心にこのフリーグループT施設へ行こうUが発足しました。100周年記念終了後も着実に活動を続け、2002年度「終わりのない壁画ワークショップ」により、児童養護施設・乳児院 神奈川県立中里学園の幼児棟の環境快適化を目指した壁面装飾をサポートしました。
プレイゾーン廊下
中里学園は神奈川県立の養護施設で、幼児棟の他、小、中、高校生を含め120名の利用設備を擁しています。幼児棟ではいろいろな理由で親と同居できない2才から6才の子どもたち20名が生活しています。昭和40年に建てられた寮の室内は暗く、子どもたちがあけた穴はベニヤで簡単に補修されたままになっていて、子どもたちの居住空間としては改善が求められています。
ワークショップ実行メンバーは2001年より園と打ち合わせをくりかえしながら、数年の計画を立て、1ヵ月に1回定期的に園を訪れ、造形的な導入や予備制作、壁画の他に広い年令を対象にしたワークショップなども行っています。現在は幼児棟の食堂、プレイルーム、居室の壁画が出来上がりました。また、次のプロジェクト、小学生棟の壁画も始まっています。
スタッフも最初の頃は女子美卒業生だけでしたが、最近は他大学の学生、卒業生の参加も得られ、広がりを見せています。
このワークショップは居住する子どもたちの描きたいものを、自らの手で描き、それを汚したり壊したら、その上にまた自分たちで描くというまさに終わりのない壁画ワークショップです。子どもたちの等身大の生活そのものが活きてくる環境が提案されています。ここで子どもたちの獲得したものは、美しい環境という枠を越えたもっと大切な本質的なものだったようです。
この作業を通して子どもたちが変わっていった様子やワークショップの内容など、関係者の皆様からご報告をいただきました。以下は、アートは人を育てると信じて、子供と一緒に大人の我々も育てられていますという、メンバーの記録と、中里学園の機関誌「はばたけ中里」第6号に掲載された養護課希寮 加藤信也氏の文章を紹介させていただきます。
食堂内壁画
■
終わりのない壁画活動記録
廊下に木、森を描く
同窓会主催の「絵いっぱい運動」に感銘を受けて発足した私たちグループの100周年記念後の活動報告です。最終的には中里学園全体に広がればと思いますが、2002年度は幼児棟中心に活動を行いました。
ストレスの発散を、壁に穴をあける事に向けていた子どもたちの意識は、壁面を描く事により少しずつ変わりつつあります。自分たちの「作品」を大切にするという事。自分に責任を持って制作するという事を、彼らは制作を通して気付き始めました。このワークショップは単に壁画を描く、という事ではありません。自分たちの手で、自分たちの環境を変えていけるという自信が、彼らの人生においてなんらかの意味があることを願い、また、私たちスタッフの更なる飛躍につながればと思います。
1年弱ですが、1ヵ月に1回定期的に学園を訪れました。子どもたちの顔が回を追うごとに自身に満ちてくる様子が皆様に伝わることを願っています。
■ 2002年度終わりのない壁画ワークショップ記録
02年
03年
6月
7月
8月
9月
11月
12月
1月
2月
3月
スライドを使って「小さな絵が大きくなるよ!」
大きく描いてみよう
夏休みの宿題をみんなでしよう「磁石を使った工作」
食堂内壁画「大好きな食べ物なあに?」1
食堂内壁画「大好きな食べ物なあに?」2
プレイゾーン通路壁画「シャボン玉飛ばそう」
浴室脱衣所内壁画「不思議な虹」
クリスマス会「みんなでツリーを作ろう」
プレイゾーン壁画「みんなの森」
食堂内壁画へのアプローチ
藍を植えよう
(3月に植えた藍が育ち、この8月には草木染めワークショップを行いました。葉っぱを布の上に並べ石で叩いて染めるという技法です。いまその布は、愛/あいのカフェカーテンとなって小学生棟の食堂を飾っています。次のプロジェクトのが始まっているのです。)
■
女子美同窓会の皆さんに感謝 養護課 希寮 加藤信也氏
浴室脱衣所 不思議な虹
食堂内壁画 青い斜線は思い出の流しそうめん
食堂の壁に描かれた好きな魚
これまで幼児寮の生活環境として、あまりにも殺風景だった食堂や廊下が、女子美術大学同窓会ボランティア(以下女子美同窓会と略)の方々のご協力により壁面装飾され、とても素敵に生まれ変わった。
私も最近家を建てた。壁紙にはこだわり選んでいった。そのときにあるメーカーの壁紙のカタログに、子ども部屋の壁紙が写っていて、心を打たれた記憶がある。壁紙の構成一つでこんなにも部屋の雰囲気が変わるものかと、その時つくづく感じたと同時に、将来自分に子どもができた時に、その子の育成に壁紙が少なからず影響するのではないかと思い、子ども部屋の壁紙には殊更神経を注いだものである。
そして、今回幼児寮の壁面装飾にあたり特に良かったのは、子ども達も、その制作に一緒に参加できたことだ。子ども達がとても生き生きとした姿で筆を持ち、共同制作された装飾を、喜びに満ちた目で眺めている姿を見たときに、見た目の綺麗さだけではない何かが、子どもたちに与えられたのではないかと感じた。また、子どもたちにとって壁に絵を描くという行為は、一歩間違えると単なる落描きや遊びで終わってしまいがちなところを、自分たちの描いたものが決して否定されることなく、褒められながら、認められることによりその期待に答えようとさらに集中力を持って取り組んでいる姿を見て、女子美同窓会の方々から保育者としての姿勢も同時に学ばせていただいたような気がする。熱心なご指導には本当に頭が下がるばかりだ。
今、幼児寮の小食堂には、食べ物や生き物などさまざまな絵が描かれている。中には昨年のキャンプの思い出として、流しそうめんを描いた子などもいて、そこに座っているだけで、とても楽しく食事できる気がするし、ひとつの絵から大きく話がふくらむこともある。壁面装飾が、単なる美しさをかもし出すための環境提供だけではなく、保育活動のための環境構成として、とても有効に活用されると感じている。
今後、お風呂場やトイレも"と密かに!?この壁面装飾に期待している。よろしくお願いします。
中里学園機関誌「はばたけ中里」第6号/平成15年3月1日発行より
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