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「世界らん展日本大賞」の作品の
前で受賞の楯を持って
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「デンドロニュウム・スミリエ」
世界らん展日本大賞 2004年
美術工芸部門
優良賞・トロフィー賞
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アトリエの机の前で
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山歩きの途中で
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Autumn & Winter
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「パピリオ」
国際らん博覧会 2003年
美術工芸審査部門 最優秀賞
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子育てに専念した時、どうしたら絵を描き続けていけるのか考えました
卒業後帽子のデザインの仕事をしていましたが、結婚・出産を機にやめました。ふと振り返ると絵を描くことが好きだったから女子美に通ったのだということを思い出し、再び絵を描こうとしました。でも当時、子育てをしているさなかに、道具を広げて油絵を描くスペースは確保し難いことでした。どうしたら絵を描き続けられるのでしょうと考えていたある日、壁に飾ってあった蘭の絵が目に入りました。学生時代友人にプレゼントされたアンティークの植物画でしたが、このように植物を水彩で描いてみたらと思いつきました。これなら食卓の上でも描ける!モチーフもガーデニングを趣味にしていたのでとても身近に思えました。
植物画を描く透明水彩は学生時代学んだ油絵とは大分違っていたので、好きな植物画家だった佐藤廣喜氏に師事しました。今思うとと女子美では別科、絵画科と油絵を勉強しましたが、その頃からは考えられないくらい熱心に勉強しました(笑)。
ボタニカルアートを始めて3年後に第1回の個展を開催しました。周りの人々は習い始めて間もないのに個展をするということで随分と驚かれましたが、そこは女子美出身ですから個展というものにためらいはなく、目白の花屋「花よろず」で小規模ながら12枚の作品を発表しました。その後、「世界蘭展日本大賞」に入賞したり、周囲の皆さんの励ましもあって、ボタニカルアートに手ごたえを感じ、ますます本格的になっていきました。
今では個展の他にグループ展に出品したり、ボタニカルアートの教室も主催しています。また、絵を気に入って下さる皆様にも恵まれています。
花を描くために山にも登ります
ボタニカルアートはもともと学術的な目的からはじまったジャンルです。極めていくほどにとても奥が深く、やはり植物に関する総合的な知識が必要になってきます。最近ではコンピュータなども駆使して資料を制作するようになりました。刻々と変わっていく植物の姿をデジタルカメラで撮影したり、世界の花の種類をインターネットで調べてプリントしたり、とても便利ですね。
机の上だけでなく、実際に植物の観察をすることも重要です。雄しべ、雌しべのつきかた、葉の質感、香りなどもどのようになっているのか観察することも本当に楽しく興味深いのです。
特に珍しい品種など実際に生息する場所へ行って見たくなりますね。最近では2003年の夏に北海道の礼文、利尻へ行き、特有の高山植物を見てきました。利尻富士登山にも挑戦しました。これはトークショーを前に、臨場感のある話をするための取材も兼ねていました。もともとスキーや山歩き等が趣味ですから、夢に見る植物を見るためにきつい山登りにもどんどん挑戦しています。
現地では写真家や植物の研究をしている方、出版関係の方など、違う分野の皆さんと出会い、お話を伺います。植物画の世界から広がって、植物を愛する多くの人々と出会うこともまた、ボタニカルアートをやって知った楽しみの一つです。
また最近では「緑・花文化の知識認定試験」ができ、植物などの知識の認定をしています。私も2003年11月の試験に挑戦し、3級をいただきました。長く植物を描いてきたことによりいつの間にか蓄積された知識が認められて、嬉しいニュースでした。さらに上級を目指すことも今後のライフワークとしていこうと思っています。
仕事の合間のリラックス
ボタニカルアートは最初は大きな筆で描いていきますが、最終的にはルーペを持って細部を細い筆で描き込みます。じっと座って集中して描くと肩がこるので、その解消と気分転換のためにテニスをしています。太陽の下で体を動かすのはとても気持ち良いものですね。また、山や自然も好きなので山歩き、カントリースキーなども週末の楽しみの1つです。
今は植物画を描き初めた頃と違いアトリエがありますので、その机の周りにはいろいろな道具が広がっています。机の前はテラスに面した窓になっていて、仕事中の休憩には窓から手入れしている緑を見てリフレッシュしています。
それから、やはり年齢とともに目が弱ってきますから、繊細な透明水彩絵具で描くだけでなく、今アクリル絵の具で描くことも勉強しています。将来は違うことにも挑戦していこうと、備えているんですよ(笑)。
ボタニカルアートで生活を何倍も楽しんで欲しい
ボタニカルアートの教室の皆さんにはボタニカルアートを通して生活をより豊かに、楽しんでいただけるように心掛けています。たとえばボタニカルアートを描きはじめると道ばたの植物に興味が出てくるし、見方も変わってくるでしょう。いつも旅に出たら落ち葉など1枚でもいいから拾ってきて下さいねと言っています。帰ってからそれを描いたら思い出深い大切な作品が出来上がるはずです。きっと旅が好きになりますよ。
また、生徒さんの中には年輩の方が多いのですが、いつも新しいことにチャレンジするように応援しています。例えばeメールですが60歳を越えた方にも、とても便利で楽しいものだからとお勧めしました。すると皆さんが区のパソコン教室へ通って、今ではメールで連絡をとるようになっています。私のホームページも皆さんで利用していただくように、生徒作品のページも用意しています。
それからじっと植物を見ながら描いているときに、とても不思議な一瞬に出会えることがあるんですよ。突然、花が開いて雄しべが飛んできたりするんです。植物は本当に計り知れない面白さを持っています。
最近では植物で癒されると言われますが、植物が気を発していてこちらもそれを感じることができるとき、幸せを感じるのだと思います。絵を描かない人も植物画を飾って楽しんでほしいですね。植物画は何処にでも馴染むものだと思います。
夢の花との出会いはタイミング
「フリチラリア」という、以前に本でしか見たことのなかったとても珍しい花を偶然に見つけたことがありました。
植物画を始めるきっかけになった絵をくれた友人が今はパリに住んでいるのですが、1年に1度くらい訪ねて行きます。でも、彼女のじゃまにならないよう1日くらいは1人で旅をするのです。あるときジベルニーのモネの庭を訪ねた時、その「フリチラリア」を見つけて、感激しました!今では世界中の花が日本に入ってきていますが、あんなにしっかりと存在を誇って咲いている姿に出会えたのは、あとにも先にもその時限りで、幸運としか言えません。何故なら花は生きていますから時とともにどんどん姿を変えて行くものです。美しく咲いている時期にその場所に行けるということは、実は偶然としか言えないようなとても稀なタイミングなのです。
いつも新しいことに挑戦していきたい
昨年秋の「国際らん博覧会in福岡ドーム2003」では、6年間私の教室に通っている生徒さんも入選しました。これはとても嬉しいことで、教室の中だけでなくどんどん外の世界へ挑戦していってほしいと思っています。
また、ボタニカルアートはヨーロッパなど海外で愛好されていますが、日本でももっとその魅力を紹介していきたいと思っています。同時に私は世界へ活躍の場を広げられるように挑戦したいなあと思っています。
女子美の仲間が久しぶりに集まると私の今の頑張りに皆が驚きます。私のきっかけは1枚のアンティークの絵から始まり、1つのことに興味を持ってずっとやリ続けたことで世界が広がりました。新しい世界のきっかけはいつも貴方の身の回りにあるのよと皆さんにお伝えしたいですね。
■滝澤栄利子さんの講座が女子美アートセミナー(杉並キャンパス)で
2004年9月1日より開講されます
詳しくは女子美術大学のホームページでご覧下さい。
(トップページ上部右より2番目の生涯学習からアート
セミナーを選択し、杉並キャンパスの覧をご覧下さい。
講座名はZ1/Water Color ボタニカル・アートです。)
※注釈:ボタニカルアート
ボタニカルアートとは、本来は科学的研究を目的として描かれた植物画を指します。しかし、その細密で緻密な描写は、芸術的にも高く評価されています。また大航海時代には珍しい植物を持ち帰って恋人に贈るのが最大のプレゼントだったようです。ナポレオンの妻ジョセフィーヌは、お抱え画家ル・ドーテにコレクションのバラを描かせ「バラ図鑑」は現在も貴重な資料として残っています。
写真の発達により、ボタニカルアートは一時衰退しましたが、その描写は写真では写しきれない自然美を描き出し、なお芸術的にもその価値が認められ、近年になり注目されてきました。
自然を深く観察し、愛情を込めたボタニカルアートは現代社会において計り知れない魅力を持っています。
※注:「緑・花文化の知識認定試験」
財団法人講演緑地管理財団により行われている、植物などの知識の認定をする試験。日本の文化の特長でもある人と植物の共存をはかり、一方環境問題の根本的解決のため人と同じ生命体の植物の生態系理解することを第1の目的に設定された認定試験。
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