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ヴィーナス達
up date 2004.08.10

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幅広い分野で活躍する女子美同窓生、今輝いている女子美魂のヴィーナスたちを紹介します。

5月17日から29日に同窓会主催で開催された「美の仕事―女たちのランウェイ」展。そこで紹介されたクリエイターの仕事の軌跡を追って、インタビューをします。今回はコスチュームデザイナー出川淳子さんにご登場いただきます。


でがわあつこ

出川敦子さん
1984年
短期大学造形科
衣服デザイン教室卒
コスチュームデザイナー

夢の遊民社所属後、1987年〜89年ロンドン滞在 セントマーチンスクールオブアートで学ぶとともに衣装制作アシスタントとして活動。
1990年 ニューヨーク滞在 ブロードウェイミュージカル「SHOGUN」でPatricia Zipprodのファーストアシスタントを務める。
1997年〜1999年 文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリ滞在。
舞台/映画/テーマパーク等の衣装デザイナーとして活躍。
3歳の時に「デザイナー」という言葉の響きに惹かれ、子供心に自分がなるモノだと決めた出川淳子さん。「私はデザイナーになると決めていましたが、デザイナーが何をする仕事なのか分かっていませんでした(笑)。その後、世界で「イッセイ三宅」や「KENZO」が活躍始め、「服飾デザイン」が自分のやりたいことだと分かったんです。それを実現するために「衣服デザイン」のある女子美を選びました。」演劇だけでなく、テーマパークや、映画など、コスチュームデザイナーとして国内外で幅広く活躍している出川さんにお話を伺った。



アラビアン ナイト
2002年文学座ファミリーシアター
「アラビアン ナイト」
写真提供:文学座 撮影:飯田 研紀
2002年文学座ファミリーシアターアラビアン ナイト」
2002年文学座ファミリーシアター
      「アラビアン ナイト」
2002年文学座ファミリーシアター「アラビアン ナイト」
2002年文学座ファミリーシアター
「アラビアン ナイト」
サタデーナイトフィーバー
「サタデーナイトフィーバー」
「まげもん」
「まげもん」
「我らが祖国のために」
「我らが祖国のために」
ガレリアニケ
「美の仕事―女たちのランウェイ」展
ガレリアニケ
2002年文学座ファミリーシアター
「アラビアン ナイト」衣装
女子美を卒業して修行時代

在学中は成績も良かったので、すぐ就職先は決まると思っていました。ところが、実技は受かるのに何故か面接で落ちるんです。私はデザイナーとしてどういう仕事をしたいのか話したのですが、先生から「会社はそういうことを言う人が一番いらないの」と言われました。じゃぁ私は何のために勉強していたの?自分のやりたいことをやらせてもらえない会社に、何故入らなければいけないのか?若かかったので、そんなことでかっとなったりしたんですね(笑)。で、ある時、演劇に衣装の仕事があることに気がついて、劇団も受けたんです。
最初の劇団は外部のデザイナーに頼んでいたので、内部の者がデザインをすることはありませんでした。いずれ内部で全て賄うと言われましたが、とても待てなかったんです。劇団には、演劇の好きな人が集まっているためか、何でも皆でやろうとするところがありました。けれど、私は衣装をやるために行っているのだから、衣装以外のことは生意気にもやりませんでした(笑)。やっぱり適材適所のスタッフがいるわけですから、得意じゃないことをしても能率は良くならないんです。もちろんお金も、まともに貰えないので、特殊小道具や、衣装をやっているアトリエにバイトへ行きました。そうこうしているうちに、だんだんそちらの方が仕事としての重みが出てきたんです。まだ21、2歳の頃、スーパー歌舞伎の「ヤマトタケル」初演で一幕一場を任されたこともあります。やったことのない事ばかりで、それはすごく勉強になりました。そういう大きな仕事を手伝ったり、ロンドンに留学した知人の話などを聞いて、今度はロンドンへ勉強に行こうと決めたんです。


海外での出会い

セント・マーチン在学中ノッティングヒルゲートフェスティバルという、リオのカーニバルのような、12時間ノンストップで踊りながら練り歩くお祭りの衣装を手伝いました。私がお手伝いしたところは、1チーム100人ぐらいのカリビアンチームでした。毎晩音楽をかけながら大きなおなべで食事を作ったり、踊ったりしながら衣装作りをする。皆暖かい人たちばかりでした。この頃は行く先々でとても親切にしていただいて、夢のような日々だったんです。
その後、デザイナーのパトリシア・ジプローにたまたま出会って、彼女のファーストアシスタントという形でNYのブロードウェイの仕事をしました。ところが、アメリカは契約制なので、時間内でしか仕事をしません。時間が来ると、作業が途中でも皆そこで帰ってしまうんです。私は彼らが残したものを片付け、土日も作業をしました。私がもう少し「協力して」とお願いしても「そういう契約じゃない」と主張されるんです。何度となく「私帰る!」ってスーツケース片手に飛び出しかけました(笑)。
ところが、フランスに行くと今度は、いかに仕事をせずに仕事をしたように見せるかという事ばかり考えている人ばかりで、アメリカの方がまだ良かったと思いましたね(笑)。


仕事の流れ

お芝居の場合は、まず台本をいただいて、演出家の方と打ち合わせをします。それから絵を起こし、クリエイティブワークを進めます。一方で制作からの予算はどれくらいなのか、予算内でクリエイティブワークが収まるのか調整をします。それから発注するならどんなプロセス方法をとるのか、買えるものなら買うし、拾えるものは拾ってくる。それはプロダクションにもよりますし、テーマパークやイベントにしても同じです。演出家にもいろんな方がいますが、私はだいたい彼らのイメージを裏切りますね。言った通りにやったら面白くないですから(笑)それを面白いと思ってくれる方と、怒る方もいます。ただ、演出家の方が衣装全ての知識を持っている必要はないのですから、彼らのイメージに対して他の可能性も提案します。ですがこうやって違うものを提案出来るようになったのも、この3年ぐらいです。この業界はご高齢の現役デザイナーがたくさんいらっしゃるので、業界内では私もまだまだ若手なんです。
実際1つの仕事の期間は1ヶ月半から1ヶ月。テーマパークのような大きなプロジェクトなら半年ぐらいです。デザイン期間は多くても1週間、だいたい3日か1日。すべての衣装を作るわけではなく、現代劇の場合などはコスチュームを製作しない場合もあります。

楽しんで仕事をする

一番楽しい瞬間は、台本を貰った時。読みながらどんなものにしようか考えている時が一番楽しいです。打ち合わせになると、予算内で出来ないこともあるので段々しぼんで行くんです(笑)。あと、作り物の場合は、絵で描いた二次元のものが三次元になる瞬間。自分で想定していたものが三次元の形になるわけですから、面白すぎますね。


女子美で学んだことはすごく役にたっている。

この仕事の後輩が女子美から出てこないのはとても不思議です。女子美には衣装を作る上で、基本的に知らなければいけないことを教えてもらいました。素材から作る勉強をしたので、実際どうなるか考えながら作る癖もつきました。衣装は現代のものだけじゃなく、服装の歴史も知らなければいけないし、文字からデザインを発想して全体を統一させる総合芸術でもある。そう思うと、女子美は衣装製作全般を教えてくれたところだったんです。


コスチュームデザイナーを目指す人たちへ<美の仕事展より>

衣装家の仕事は、「Les yeux sont aveugles.Il faut chercher avec le cæur(Antoine de Saint-Exupéry)―目は何も見えていないんだもの、心で見つけなくちゃ―(アントワーヌ ド サンテグジュペリ)」
衣装家であることは、「Je suis un mensonge qui dit toujours la vérité(Jean Cocteau)―私はいつも本当のことを言っているウソつきでございます―(ジャン コクトー)」
そんな気がする今日この頃です。

「美の仕事」のクリエイターたちの仕事と活躍の軌跡
ダイジェストはこちらです>>>


【今後の活動】

「まげもん」

オペラシアターこんにゃく座公演
日時:2004年8月27日(金)〜29日(日)
場所:世田谷パブリックシアター
台本:鄭義信
脚本:萩京子
出演:梅村博美/金子左千夫/岡原真弓/井村タカオ/佳奈/
   佐藤敏之/富山直人/高野うるお/西川まゆみ/
   大石哲史/ 花島春枝/石窪朋/佐藤久司/飯塚靖夫/
   山本伸子/田中さとみ
URL:http://homepage2.nifty.com/konnyakuza/magaimon/

モーツァルト作曲「愛の女庭師」3幕 K196 日本初演
 喜歌劇 モーツアルト劇場
日時:2004年10月23日(土)24日(日)
場所:新国立劇場中劇場
演出:松本裕子 
指揮:大井剛史 
演奏:アンサンブルofトウキョウ 
合唱:モーツアルト劇場合唱団
出演(ダブルキャスト):
市長ドン・アンキーゼ(T)吉田伸昭:蔵田雅之
公爵令嬢ヴィオランテ(S)鵜木絵里:赤星啓子
ベルフィオーレ伯爵(T)小貫岩夫:布施雅也
アルミンダ(S)菊地美奈:品田昭子
ラミ−ロ(Ms)井坂惠:菅原章代
セルペッタ(S)横山美奈:加藤千春
ロベルト(B)星野淳:宮本益光
URL:http://www.mozart.gr.jp/event/0410.niwashi.html
 
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