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2004年INAXカレンダー
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“アイ・ガーデン・テラス”
壁面を飾る巨大イラスト
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「美女入門PART2」林真理子
角川書店
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さいたま文学館・
パンフレット表紙
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資生堂・社内報表紙
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中外製薬・社内報表紙
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雑誌「別冊・花時間」綴じ込み小冊子表紙
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雑誌「みづゑ」中面
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CDジャケット
「KOTO・Ambient Classic1」
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CDジャケット
「KOTO・Ambient Classic2」
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■グラフィックデザイナーからイラストレーターへの転身
女子美ではデザイン科でグラフィックデザインを専攻しました。何しろ絵を描くのは好きでしたが、授業に熱心だったかどうかは…(笑)。イラストレーションは4年次で選択し、学生時代にもコンペに応募してみましたが良い結果には結びつきませんでした。当時はコンペが多く開催され、パルコのイラストレーション展では日比野克彦さんや谷口広樹さんらが華々しくデビューされた時代でもありました。
卒業する際、イラストの仕事に就きたいとは思いましたが、就職となるとイラストレーターの求人は殆どなく、広告制作会社でグラフィックデザイナーとして働くという選択をしました。社会に出て仕事を重ねるうちに広告デザインの魅力も再認識するようになり、しばらくはグラフィックデザインの世界にどっぷり浸かる年月が続きました。
女子美を卒業してもしばらくは東高円寺付近に住んでいましたが、その後引っ越した先の近所に、とても評判の良いイラスト教室が開催されている事を知り、ならば通ってみようとさっそく申し込みに行きました。イラストレーターの夢を断念して10年後のことです。
デザインの仕事の傍らでの教室通いだったので、ここでも真面目な生徒ではなかったのですが(苦笑)、たくさんの素晴らしいイラスト仲間に出会う事ができたのが何よりのターニングポイントとなりました。
教室の仲間たちの積極的な雰囲気に背中を押される形で、私もイラストのコンペに応募してみたり、1997年には描きためた作品で初の個展も開いたりしました。
その当時は、まだ本当にイラストレーションの仕事に関われるかどうかも深く考えてはいなかったのですが、とにかく描く事が楽しくて楽しくて…。そして自分の描いた作品たちが客観的にどう評価されるかが知りたくて、コンペへの応募や個展開催を試みたのでした。
初個展を終了したあたりから、少しずつでしたがイラストのお仕事をいただくようになりました。デザイナー時代は、自分がイラストレーターに仕事を発注する事はあっても、本格的に自分がイラストの仕事を受ける事になるとは…。当初は、とにかく喜びと緊張の連続でした。好きな絵を描かせてもらって、さらにお金までいただいてしまって本当に良いものだろうか、と(笑)。
その後、イラストの仕事が増えるに従い、グラフィックデザイナーとの二足のワラジが困難だと思うようになり、きっぱりイラストの仕事だけに専念することに決めました。どちらも中途半端になりそうで恐かったのです。とは言っても、本当にイラストの仕事だけで食べていけるかどうかはまったく確信が持てないままの見切り発車でありました。
イラストレーターという肩書きの名刺を持つようになってしばらくは、作品をもっと知ってもらうため、積極的にコンペに応募したり、気になるデザイン事務所や出版社へ売り込みに行ったりもしました。
どんなに自信のある絵を描いても、たくさんの人に知ってもらわなければ、新人がコンスタントに仕事を受け続ける事はとても難しいと実感した時期です。
■個展の案内状が仕事を呼んできた
自分に求められていることを比較的理解しやすいので、グラフィックデザイナー時代の経験はとてもメリットになっていると思います。もともとイラストレーターとしての就職先は少ないので、私のように一度デザイナーで就職した後、経験を積んでフリーのイラストレーターへ転身する人も少なくないのではないでしょうか。
現在の私の仕事には装丁のお仕事も多いのですが、思い出に残る仕事の一つに林真理子氏の文庫装丁シリーズ(角川書店)があります。このお仕事は現在も断続的に続いていて、早くも16册を数えますが、最初の依頼のきっかけがとても印象深いものでした。
私の3回目の個展を開催する際、まだ面識は無かったけれど、ずっと憧れていた装丁家の鈴木成一氏にもDMをお送りしたのですが、それをご覧になった鈴木氏からいきなりお仕事の依頼の電話が入ったのです。個展スタート直前の事でした。そのお仕事自体は別の作家の方の装丁だったのですが、打ち合わせに伺った際に見ていただいた他の作品も気に入ってくださり、その時まとめて林真理子氏の文庫本シリーズのお話が、トントン拍子で決まってしまったのでした。
個展の影響もあり、その時期の私のスケジュールは大変厳しいものだったと記憶していますが「この依頼を受けずして自分のイラスト人生に先は無い!」と心を決めて、この大仕事に挑戦させていただきました。この先、とても大きな意味を持つことになる、とても重要なお仕事との出会いです。
イラストレーターの仕事は、依頼された絵をただ描くだけでなく、この先自分の絵をどう使って欲しいかというアプローチをしていく事も大切だと思っています。それが個展開催だったり、売り込みという形だったりするのでしょうが…。絵を描くのも仕事なら、それをマネジメントするのも自分の重要な仕事だと最近感じるようになりました。
イラストレーターを目指す方たちは、個性の数だけ皆それなりの潜在能力を持っていると思います。あとは、その力を活かすきっかけや出合いがポイント。自分の作品をどのように理解してもらうのか、絵を見てもらう機会をどのように作っていくのかを積極的に考える必要があると思います。そしてチャンスが巡ってきたら逃さずやり抜くこと…。
何はともあれ、基本はとにかく描くこと。自分の好きな世界を描いて描いて描き続ければ、必ず道は開かれると信じています。
■こだわって納得がいくまで絵の具を塗り重ねる
イラストレーターを目指していた頃は、イラストの本や資料も数多く見ていましたが、それを職業とするようになった現在は、その関係の資料をほとんど見なくなりました。不思議なものですね(笑)。現在よく見る資料は、プロダクトやインテリアのデザイン本、あとは建築関係の写真集も多いです。なぜかインスピレーションが広がるのです。そして、時間に余裕のある時は、興味のあるデザイン展などへも足を運ぶようにしています。
私の描くフォルムはデザイン的でシンプルだねと言ってくださる事もあるのですが、実は見た目よりもずっと描き込んでいるんですよ。アクリル絵の具で薄い色を何層にも塗り重ねて、色やフォルムの見せ方にもこだわります。やはり手描きの味わいを大切にしたいと考えています。
複雑な色味が多いので“印刷屋さん泣かせ”と言われたりもしますが(笑)、デザイナーさんや印刷屋さんも、イラストの持ち味を理解してくださる方ばかりなので、原画に忠実な色調が再現されて感動します。現在の印刷技術はスゴイですよね。
■みなさんに感謝!
現在は、広告・雑誌・本の装丁などの仕事が多いのですが、昨年はそれらとは違った意味で興味深いお仕事も経験させていただきました。ドイツのヘアケアメーカー・ウエラ社の企画で同社のイメージ映像を作るというものでした。ニューヨーク、ドイツ、フランスのビジュアルアーティスト3名が9点を制作したのですが、私はパリで活躍中のビジュアルアーティストの依頼で、その内の「Wella
-Trend vision 2004〜Talksof Folk〜」という映像作品にイラストを提供させていただきました。モデルの女の子とイラストのコラボレーションで、クライアントからも高い評価をいただけた思い出深い作品です。
>>>国分さんのホームページで画像が静止画で見られます
描かせていただく仕事との出会い、それを発注してくださる方との出会い、そしてそれを喜んで見てくださる方々との出会い…、その全てが私にとって大切な宝物です。好きなコトを仕事に出来て幸運だと思っていますし、だからこそ関わってくださる全ての方々に心から感謝しています。
■近い将来の夢は作品集。遠い将来の夢は古絵本のブックカフェ。
2年ほど前から、海外の古い絵本にハマッテいます(笑)。
その数およそ300册!海外の古本屋さんからネットを通じて直接購入する事がほとんどなのですが、たまに代官山あたりの古本屋さんで偶然出会ってそのまま連れて帰ったりもします。グッとくるモノは迷わず購入。それを逃すと2度と出会えない作品も多いんですよ。
中でもチェコなどの東欧の古い絵本が好きですね。版ズレの具合や、ちょっと荒めの紙質も素朴で好きな感じですし、この時代の東欧の絵本には大胆でクールで大人っぽいデザインのモノが多いように感じます。
あと、フランスの古い教科書などにも惹かれます。カラフルで楽しくて、私も小さい頃にこんな本で学びたかったなぁと羨ましくなったりもします。
今は趣味で集めていますけど、何十年か先にはそれらの紹介も兼ねた“ブックカフェ”なんか開ければ最高です。その頃には私もすっかりおばあちゃんになっているでしょうから、儲けなど二の次のノンビリした道楽のようなお店をね(笑)。若い人たちや小さな子どもたちにも「昔はこんな本があったんだ!」と気軽に触れてもらえる…そんな場所ができたら素敵ですよね。
そして自分でも絵本や作品集を制作してみたいと思っています。近い将来、実現できれば嬉しいのですけれど。
時代は常に変化していますが、独自のアンテナはいつもピカピカにして、世の中の風をキャッチし続けたいです。まだまだ自分の知らない世界がたくさんあるはず。その時々に得た感動をエネルギーに変えて、これからもずっと絵を描き続けます。

国分チエミさんのホームページ
たくさんの作品が紹介されています
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