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“Would
you like a cup of tea ?”
2000年 限定1部 30頁 200×150mm
ティーバッグ、紙
Concertina
(コンセルティーナバインディング)
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“ Il Cantico delle Creature
”
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ロンドンの製本スタジオ
Jade Bookbinding Studio
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ロンドンの製本スタジオ
Jade Bookbinding Studio
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和本のワークショップ風景
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当時はベルギースタイルの多かった製本業界
私が製本を学び始めた頃、日本は栃折久美子さんなどの影響で、ベルギースタイルのものが多く、最初は私もベルギーの制作方法を学びました。そこで留学の際、逆に日本にあまりないイギリス製本を学んだほうが良いだろうと勧められました。国によって服の形が異なるように、製本の方法も、たとえ構造が同じでもいろいろな違いがあります。私自身が個人的にイギリスが好きだったこともあり、留学先はイギリスに決めました。1年半ギルドフォードというサリー州にあるカレッジで製本を学び、日本に戻り5年程また女子美で仕事をしました。その間も自分で作品を作って個展を行ったり、海外の展覧会に参加したりしていました。その後またイギリスへ行きましたが、何をするか具体的なことは考えていませんでした。ただ、教育関係の仕事に関わったことですし、私なりに教えてみたいとは思っていました。イギリス在住の日本人の友人の助言もあり、いろいろ考えた末、自分の製本スタジオを構え、教えることにしました。
製本作家としての活動
イギリスでの最初の数年は、教えることと自分で制作するだけで、なんとなく自分のペースでのんびり過していました。そのうち、同じ製本作家の主人の勧めで、主人が所属していた英国のデザイナーブックバインダーズの準正会員の試験を受けて入りました。すると、名前がリストに載っただけでコレクターから製本の依頼が来るようになりました。それとともに、海外での展覧会やコンペのお知らせも個人宛で送られてくるようになりました。準正会員になってみて、準正会員かそうでないかで、作品制作の依頼や情報収集に雲泥の差があることがわかりました。
私の場合、作品の制作依頼を受けるよりは、展覧会に展示した作品をコレクターの方が購入される機会の方が多いので、なるべく展覧会に作品を展示するようにしています。
英国のデザイナーブックバインダーズは、いくつかの年間定例行事と、2年に1回程の割で展覧会を企画しています。年間定例行事としては、6月に行われるアンティークブックフェアへの参加、10月から翌年3月まで月に1回行われる講演会の主催、そして、12月の「製本コンクール」を大英図書館、大手出版社と共同で主催しています。
アンティ-クブックフェアは、ブックディーラーのための国際見本市のようなもので、正会員、準正会員はこの催しになるべく作品を出品するように勧められています。
展覧会の方は、海外、国内いろいろな所で行われますが、私が最初に参加したものは、2000年から始まった北アメリカ巡回展です。北アメリカの各地を巡る展覧会で、本が手許に戻ってくるまでに約1年半かかった大がかりなものでした。数年前には、ロンドンのレイトンハウスという美術館で、今年は、ブリュッセルにあるウィットキアナという「本の美術館」で、展覧会が行われています。
デザイナーブックバインダーズ以外での展示の機会としては、インターナショナルコンペティション。これは、イタリアやフランスなど各国の製本協会の主催で開催されます。デザイナーブックバインダーズの展覧会がない年にどこかでコンペティションや展覧会があれば参加するようにしています。
作品を作る行程
制作を始める時は、まず本を選ぶところから始まります。そしてその本を読んで、内容に合う大体のデザインを考えます。ですが、この段階で細部まで完全には決めません。というのも、素材の組み合わせによってデザインが変ってきたりするからです。
大体の構想を頭に入れて素材を選び、それに相応しい本の構造を考え、デザインを練り直します。場合によっては、本番の本の制作に取りかかる前に同じ構造の本を適当な本で作ってみることもあります。デザイン、構造、素材が全て決まったら、あとはひたすら作ります。
コンクールの場合、コンクールの規定本があって、皆同じ内容の本で作りますので、ある程度の制限がありますが、展覧会用に制作する時は作りたい本を自分で決めたり、時には本の内容から自分で考えることもあります。
以前そういう機会があった時に、紅茶の国イギリスに住んでいる利点を生かして、紅茶の本を作ることにしました。一般的に飲まれている紅茶のブレンドものを、スーパーで片端から集められるだけ買いました。お湯を注いでから2分間と時間を決め、出た紅茶に紙を浸して染めました。ものによっては濃く出たり、薄く出るものもあるので、浸した紙の色がそれぞれ違うだろうと考えました。浸した後、紙を出して乾かし、それぞれにその紅茶の名前を印刷して、その紙にウインドウを付けてお茶っ葉を見えるように、紙と紙でサンドイッチのようにはさみ込んだんです。ウインドウは、丸いのや三角、四角とそれぞれのティーバッグの形に合わせて作りました。このように本の内容から製本まで自分で制作した本は、アートブックと言われています。
本を作るとき常にこだわるのは、表紙を閉じた状態で机の上に立たせてきちんと立つ本を作るということです。どんなに薄い本でも、しっかりと作られた本は倒れる事なくきれいに立っています。
また、本を読もうとした時に、うまく開かない本を見かける事がありますが、いかに外側が美しくても開いて読むことが出来なければ、本としての意味がありません。読みやすく、持ったときに良い感じの本になるよう心掛けています。
イギリスで制作することと日本で制作する違い
年に1〜2回の一時帰国での楽しみのひとつは、東急ハンズにいくことです。いろいろな物を使おうと思い、買って戻りますが、なぜかそれらを使ってみるとイギリスの素材と合わないことが多いのです。もし私が日本にいたら、当然、東急ハンズの素材を使って制作していたでしょう。ただ、今私が制作しているような作品は作れなかったと思います。
また、外国に住んでいるので、私自身は特に意識していなくても、やはり周りからは日本人のアイデンティティを求められています。その為、和本のデモンストレーションや、ワークショップを頼まれることが多くあります。
和本に親しんでくると、構造的な面白さもわかってくるようになり、和本での作品制作をする機会が増えました。基本的にはイギリスの製本方法を行っていますが、デザインによっては和本の構造を用いることが効果的です。
実は紅茶の本も伝統的な日本の和本の作り方を参考にしています。
女子美で学んだこと
本の歴史は長いので、西洋の美術を学んだことは私にとってとても有利でした。造形学で学んだ美術史から、素材やその本の背景が分かったり、本のデザインを考える時のラフスケッチや、見本を作るという日々女子美で行っていた製作手順が今に活かされています。ただ、もともとグラフィックの勉強をしていたので、3次元の本を最初は2次元的に制作してしまい、そこを超えるのが大変でした。
作品を制作する場合、制作者の個性や能力、技能が全て作品に関わってくることは、製本制作にのみがぎられたことではありませんが、使用できる制作素材は、広範囲に渡ると思っています。一般に思われている、紙、革、布に限らず、例えば刺繍に関わっておられた方なら、ご自分で刺繍されたものを使って本を作れますし、各自の持つ様々な個性や可能性を表現しやすい分野だと思います。
製本作家を目指す人へ
本が好きである、本を理解しようと心がけることが重要だと思います。表のデザインがいくら優れたものであっても、本が開きにくく、読みづらいようでは、良い製本とはいえません。
製本の様式にもよりますが、美術工芸製本となる1冊を作り上げるのに50〜60程の工程があります。作業としてはその1つ1つの段階を丁寧に仕上げることが大切です。
日本には西洋製本を勉強できる所が何ヶ所もありますし、東京製本倶楽部という書物や製本に興味を持つ人々のための協会もあります。美術工芸製本という分野に興味をもたれた方は、まず身近な所で製本を始められることをお勧めします。
英国の製本家協会
Designer Bookbinders(D.B.)>>>
Site Map から Licentiates> Midori Kunikata-Cockram で
國方さんの紹介ページを見られます。
東京製本倶楽部>>>
「美の仕事」のクリエイターたちの仕事と活躍の軌跡
ダイジェストはこちらです>>>
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