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ヴィーナス達
up date 2005.03.01

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幅広い分野で活躍する女子美同窓生、今輝いている女子美魂のヴィーナスたちを紹介します。


なかやみわさん(ナカヤ ミワさん)

なかやみわさん(ナカヤ ミワさん)
1992年造形科
グラフィックデザイン教室卒業
絵本作家

そらまめくんというキャラクターで子どもたちはもとより、おとなの心も掴んだなかやみわさん。なかやさんはそらまめくんで絵本作家としてデビューしてから現在まで可愛い作品をたくさん生み出し続けています。自分の目標をはっきりイメージし、そこに向かって努力するなかやさんの絵本作り。絵本出版にいたるまでの興味深い話など伺いました。



2005年の最新刊
 <こぐまのくうぴい> ミキハウス
新シリーズの知育絵本です。
上の写真でなかやさんが手にしている
くうぴいのパペット人形もできました。
おはようくうぴい
おはようくうぴい
すきすきはみがき
すきすきはみがき
おふろであわあわ
おふろであわあわ
おやすみくうぴい
おやすみくうぴい
くうぴいディスプレイ用什器
なかやさんが制作した
 くうぴいディスプレイ用什器
なかやさんの代表作
 <そらまめくんシリーズ>
そらまめくんとながいながいまめ
そらまめくんとながいながいまめ
福音館書店 2003年
そらまめくんとめだかのこ
そらまめくんとめだかのこ
福音館書店 2000年
そらまめくんのベッド
そらまめくんのベッド
福音館書店 1999年
くろくんとふしぎなともだち
くろくんとふしぎなともだち
童心社 2004年
くれよんのくろくん
くれよんのくろくん
童心社 2001年
はりねずみのはりこ
はりねずみのはりこ
福音館書店 1998年
おばけのかんづめ
おばけのかんづめ
ブロンズ新社 2004年

自分が愛読していた本に今も子どもたちが夢中になっている

昔から可愛いものが大好きで、イラストレーターになりたいと女子美のグラフィックデザイン科に入学しました。卒業後は、社員が自社キャラクターを描ける所に惹かれてサンリオへ入社しました。いずれ自分のキャラクターをと(笑)。しかし、バブル崩壊の頃で、キャラクター離れの時期が始っていました。会社の求めているものと自分のやりたい事が合わなくなって、なかなか結果に結びつきませんでした。それで働きながら、なにか自分がやれる新しい職業はないかと、情報を得るために時間があれば本屋に行っていました。
そのころ、資料として洋書の絵本を参考にしていたのですが、たまたま日本の絵本コーナーを覗いてみると、私が小さいときに読んでいた「ぐりとぐら」や「手袋」を未だに子供たちが夢中になって読んでたんです!それを見ていい仕事だなと思いました。絵本は息の長い、自分のやりたい表現に一番近い気がしたんです。でも、絵本作家になるにはどうしたらいいのか分からなくて…。絵本だ!と決めてから、絵本を紹介する雑誌を買っては情報を探し、絵本作家の講演会や編集者のお話を聴ける講習会などを見付けてできる限り聴きに行きましたね。絵本のワークショップやスクールに参加し、そこで第一線で活躍する作家の絵本の作り方や原画などを見せていただき、作品とはこうやって作るものなんだということが何となく分かってきました。そんな中、新人の発掘に力を入れている編集の方に出会い、「そらまめくん」の原型を見せて、「この作品を売り込みたいんですが紹介して頂けませんか?」と頼んだんです。そして、福音館書店さんを紹介してもらい、その後「子どものとも」という月刊絵本の出版へと繋がっていきました。


そらまめくんはこどもたちの反響から育った

「そらまめくんのベッド」が出版されるととても評判が良く、読者からの反響がすぐ届きました。「続きを読みたい」「子どもが大好きです」といった内容の手紙などでしたが、自分でもびっくりしました。本が売れたので、出版社から次も出しましょうといっていただけ、そらまめくんシリーズを続けて出すことが出来ました。
はじめのうちストーリーを作るのには戸惑いがありました。そらまめくんは実はサンリオ時代から育てていたキャラクターでしたが、背景や性格などキャラクターをたてることをサンリオや絵本のスクールで学び、完成させていきました。その性格や特徴から話つくりをしていくのですが、そらまめくんだったらさやのベッドで寝ているからこれがなくなったらどうなるだろうとか想像し、そんなところからストーリーが生まれてきます。
また、読んでもらう対象は今は園児に設定をしています。やはり、年令によって興味を持つものが違うので、ある程度対象を絞ると興味を持ち、満足して読んでくれるのが嬉しいです。
自分に子どもが生まれてから気が付いたのが、擬人化されたキャラクターが子育てに有効だということでした。それで、最近では知育絵本も手掛けるようになりました。親のいうことを聞かなくても、絵本のキャラクターと一緒にやろうと言うとすんなりやったりして、子どもの心の中ではキャラクターは生きているんだなあと感心することがあります。


チャンスがきたら物にするトレーニング

最初の本の出版はすんなりいきましたが、それはなかなか無い事だと思います。運がいいとよく言われます(笑)。もちろん運も必要だと思います。プラス、私はチャンスが目の前に来た時、そのチャンスをすぐに物にするトレーニングができていたつもりです。
例えば、1つの事を要求をされた時2つのパターンを考えたり、自分の良い所をアピールしながら接するなど。あとは、この作品が駄目でも次の作品は出そうとか、その作品のほかに既に次を用意しているとか。ただ、とても地味な作業ですね。時間をかけて頑張って描いても、編集の人に一瞬で「うちではちょっと…」と言われたりもします。精神的にとても辛いところがあります。けれど、それもやっていかないと本にはならないんです。しかし、ここの出版社では駄目だったけど、違う出版社ではOKという事もあるので、一回駄目だったからそれでおしまいではなく、活かせる方法を考えています。


子ども時代の良い思い出を絵本が作る

絵本とは生きていくためにはなくても良いもの。どうしても必要なものではないです。けれど、子ども時代に楽しい経験や良い思い出を持つ事が、良い人材を育てている気がするんです。私が子どもの頃は丁度ベビーブームだったので、公園やテレビ番組、ゲームなど世の中が子どもに目を向けていましたが、今は子どもの娯楽が大人に取られている気がするんです。絵本もその危機にあるなと。大人が癒されたいが為の絵本が増えてきて、その売り場がどんどん大きくなっている。せめて自分はそうしたくない。質の良い本を子どもたちに提供していく事はとても大切な事だと思うし、大事な仕事をしていると思っています。そういう意味では、絵本は長い目で見てすごく必要な物なんじゃないかなと。だから、こうやれば売れる、みたいな作り方はしないよう気をつけてます。


絵本作家になりたい人へ


私はまず、就職する事を勧めます。大変な事もありましたが、そこで幅広い年齢層の人達と仕事ができ、社会を学べました。それが未だに役に立っています。譲れる事と譲れない事をしっかり持っておくことも知りました。また、本の構成や絵文字、色指定など、自分のイメージに近くなるように自分できめることが出来ます。販促用の什器のデザインもすることもあります。サンリオ時代の経験が活きているのです。
いきなり作家を目指していたら分からなかっただろうし。その時にしかできない事を吸収し、どの段階でアクションを起こすかを見極める事が大切だと思います。
また、サンリオを辞めたあとアルバイトをした時期がありましたが自分の目標を見極めて、条件をしっかり決めてから探しました。アルバイトのために自分の夢を諦める人がとても多かったのです。


女子美時代の友だちとは離れられない

いい友達と出会えた女子美が大好きです。都内だからこそ好きな展覧会の情報も沢山入ってきましたし、一緒に行って「良かったね」と共感し合える友達がいる。卒業した後も、壁にぶつかった時など色々相談できる貴重な友達です。私が会社を辞めてアルバイトしていた時期に、イラストの仕事を振ってくれたり、紹介してもらったりと助けてくれました。社会人になってできた友達とはやっぱり違いますね。利害関係なく、気持ちが通じ合っているというか。女子美にいなければ得られなかったと思います。
また、卒業生がすごく頑張ってくれていて、仕事先で沢山の女子美生に出会えて心強いです。


自分が良いと思うものを信じて作り続けています

今後、技法の幅が広く、日本の伝統でもある日本画を勉強したいと思っています。自己流で今までやってきましたが、現状で満足するのではなく、もっと違う世界を広げたい。それには新しい世界を学ばないと広がらないと思い、来年勉強をする為に思い切って休みを確保しました。もちろん、復帰したらすぐ活動が出来るように、いっぱい引き出しを用意しておこうと思っています。フリーだからこそ「いい作品はいい」、「駄目な作品は駄目」とすぐ反応が自分に返ってきます。純粋にいい絵本だと信じて描く。それを繰り返し、いずれは息の長い名作を創りたいなと思っています。



福音館書店
http://www.fukuinkan.co.jp/index.html
童心社
http://www.doshinsha.co.jp/main.html

ミキハウス
http://www.mikihouse.co.jp/book/

だれかな?だれかな?
だれかな?だれかな?
福音館書店 2003年
きりかぶ きりかぶのともだち きりかぶのたんじょうび
<きりかぶシリーズ>
きりかぶ・きりかぶのともだち
・きりかぶのたんじょうび
偕成社 2003年

 
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