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上岡ひとみさんのパリ通信 Vol.32015.02.13

 

こんにちは。今年度パリ賞を頂き現在パリのCite Internationale des Artsに1年間滞在している和紙造形作家の上岡ひとみです。全4回に渡ってこちらでパリでの生活を報告していきます。今回は3回目です。

 

さて、先月1月16日に無事にパリ初の個展を終わらせる事が出来ました。場所はルーブル美術館の目の前、古い歴史のある本屋の中でした。オープニングパーティーでのパフォーマンスはあいにく雨になってしまいましたが、エクアドル人ダンサーNina Krehoveとクラリネット奏者の石井純さんは私が制作した和紙衣装を着て外の通りから始まり本屋の中までお客さんを引き連れ踊ってくれました。傘をさして歩いていた通行人もクラリネットの音につられてりからこちらを見ていました。そしてフランス人映像プログラマーのJeremyとの共作は数回練習しただけでしたが綺麗に仕上げる事が出来ました。彼の電子ピアノの合わせてアニメーションの色が変わると言うプログラミングで、私の和紙オブジェをスクリーンとしてプロジェクションマッピングの小さいものを音楽と共に演奏しました。

こちらで出会ったダンサーと映像作家とのコラボレーション、そして個展。私がパリでやりたかった事の2つを埋める事が出来ました。小さな小さな個展でしたが、パリでBerlin式のパフォーマンスをやりたくてVernissage(オープニングパーティー)に力を入れました。

自由奔放なアーティストをどうやって上手く動かす事ができるか、その勉強になりました。特にここパリでは相手を深く理解し、相手の動向を予想しないといけない、自分が舐められてもいけないし、相手の意見も尊重しないといけないと頭をよく使いました。日本と異なり多色他人種のパリでユーロッパ人を相手に何かをしようとする事は駆け引きの様なやり取りと相手の信用性を図る事が重要だと感じました。今となっては徐々にそれにも慣れ、日本人よりもヨーロッパ人の方が何も包み隠さず単純に自己表現してくれるのでわかり易いのではないかと考えています。好き嫌いがはっきりし、相手の事を考えず自己主張してくるのは一見子供のおねだりにも見え、可愛らしくすら見えてきました。そしてその方がより人間らしいのではないかと思います。

 

4時間だけの展覧会でその労力に比べやった甲斐があったのか、後日よくよく考えているとギャラリーからのコンタクトがありました。私の展示会に来ていたお客様の中にフランス人ギャラリーアシスタントの女性が来ていたようで、次回のグループ展に参加して欲しいとのオファーでした。

ミーティングに出掛けると、ギャラリーが集合するサンジェルマンの通りにその一癖変ったギャラリーがありました。ディレクターはフォトグラファー七種 諭(Satoshi Saikusa)さんでした。

 

と言う事で、先日は2回目のミーティングに私のアトリエに足を運んで下さり展示する作品が決まりました。その内容が結構大掛かりなので現在今月2月28日~4月25日までのグループ展のための展示制作に取り組んでいるところです。

誰がいつどこで見ているかわからない。何事も一生懸命やろうと気が引き締まります。

次回vol.4で私のパリ通信は最終回です。内容はグループ展ギャラリーDA-ENDのオープニングパーティーの様子、教会パフォーマンスの進行状況、パリ1年間振り返りの3本立ての内容を予定しています。

 

 

 

 

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2015.1.16.個展 CEUX-INFORMES

(形の無いものたち)

Vernissage/ La Galcante


 

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上岡 ひとみ(うえおか ひとみ)

 

1983年生まれ 埼玉県出身
2007年 女子美術大学大学院美術研究科(修士課程)美術専攻修了
2011年 自動車会社退社
2012年 ベルリンで和紙造形作家として活動を再開する。
2014年 パリ賞受賞。現在パリにて滞在製作中。

  

  

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