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up date 2006.07.11

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【ロンドン通信 第13号】


□ 國方コックラムみどり(1982年芸術学科造形学科専攻卒業)



今回のロンドン通信は、ロンドン在住の國方コックラムみどりさんにご登場願いました。
國方さんはロンドンに製本スタジオを開き、製本作家として活躍されています。現在、日本で開催中の「イギリスの美しい本」展のイギリス側運営委員の1人として携わっています。今回は特別に寄稿していただきました。

イギリスの美しい本
第2部に展示されている
デザイナー・ブックバインダーズの作品
郡山市立美術館の展示
「ポリクロニコン」
ウィリアム・カクストンの印刷による本
足利市立美術館の展示
デザイナーブックバインダーズの展示会場風景
足利市立美術館の展示
デザイナーブックバインダーズの展示会場風景
■ 「イギリスの美しい本」展

今年の4月より15世紀から現代に至るまでのイギリスの美しい書物を集めた巡回展覧会が日本で開催されています。栃木県の足利市立美術館に始まり福島県郡山市立美術館をへて7月22日からは千葉県千葉市美術館で開催されます。第一部では、印刷本の歴史をたどり、第二部で現代イギリス製本作家の新作を紹介する展覧会となっています。

この展覧会の企画が起きたのは6年も前のことです。美術展覧会企画専門会社Mangosteen Inc.のS氏がお仕事でロンドンにいらした時に、今度の展覧会に出品をしている装丁製本家の協会、デザイナー・ブックバインダーズの展覧会をご覧になったことからこの話が始まりました。書物(本)は感覚的に地味なイメージがあります。華やかな絵画やテキスタイルが専門のS氏には「本」というものは、企画の対象外であったのでしょう。
それが、イギリスの現代作家のカラフルな作品をご覧になったことで、本の展覧会の企画意欲がわいてこられたようでした。
「ビジュアル的に面白い、きれいな展覧会にしたい」というS氏の当初の目的のうえに、各美術館学芸員と専門の先生方の熱意で、学術的にも、とても見ごたえのある展覧会になっています。

日本の勤勉で時間どおりに素早く仕事をするスタッフと、イギリスの頑固で時間に気楽な人々との間に入って仕事をすることだけは、絶対にしたくないと思っていたのですが、今回は私の立場上避けられず、この展覧会のお手伝いをさせていただきました。
私の仕事は、Mangosteen Inc.とデザイナー・ブックバインダーズの連絡ととりまとめです。
デザイナー・ブックバインダーズは、1951年にロンドンで結成された装丁家協会に始まり、約50年にわたるイギリスを代表する装丁製本の制作活動を行っている人々の集まりです。
そのながれはウィリアム・モリスまで簡単に遡る事ができます。アーツ・アンド・クラフト運動では装丁は大きな役割をはたしており、今回の展覧会の第一部では、モリスのケルムスコット・プレスから出版された美本が何冊か展示されています。
デザイナー・ブックバインダーズの人達は日本での初めての展覧会に興奮する反面、遠い東の地でどのような展覧会になるのか不安をいだいておりました。しかし、その不安も出来上がったカタログを手にし、会場の展示風景の写真を見たとたんに解消されました。
カタログの出来は、皆の予想を上回る出来で、この展覧会に相応しい美しい本に仕上がっています。出品者の一人は、そのカタログに載っている自分の作品写真をクライアントにみせたところ、とても気に入られ、展覧会後の本の購入予約を受けたと喜んでおられました。

この6年の準備期間、何ごともなくスムーズに事が運ばれたはずはなく、いろいろと紆余曲折がありました。
無事開催できたのは、まとめ役S氏によるところが大きいのですが、全ての担当者の「良い展覧会を開催したい」という熱意による結果だと思います。
千葉市美術館での展示は8月27日までです夏休みの間、是非一度見にいらしていただきたいと思います。

「イギリスの美しい本」展の情報はこちらから>>>

千葉市美術館ホームページ>>>
 
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